雑記帳(ヒメカモメ考察)

2008年3月16日に三番瀬で観察されたヒメカモメについて

 2008年3月16日、午前8時頃、千葉県三番瀬の干潟でヒメカモメと思われる固体が観察できました。当日は小潮で、手前に干潟が少し出ている程度でした。その干潟の一部にカモメ類がまとまって降りていました。観察すると、群れの中にとても小さいカモメを見つけました。観察時は、ズグロカモメの観察を目的としていたこともあり、@目の後ろの黒斑、A嘴が黒色、B足が赤色という特徴からズグロカモメの成鳥冬羽と判断しましたが、撮った写真を見直してみると、ズグロカモメとするには難しい特徴が確認できました。図鑑と見比べた結果、ヒメカモメ成鳥冬羽と思われたため、この個体を「個体A」として考察します。今回の考察には、氏原巨雄・氏原道昭/著のカモメ識別ハンドブック(文一総合出版)を参考にしています。
 「個体A」は羽に褐色の幼羽が見られないことから成鳥であることが分かります。また、ズグロカモメ、ヒメカモメは夏羽では頭が黒くなりますが、「個体A」ではそれが見られないので、冬羽であることが分かります。参考に、観察時は、隣にユリカモメ(38〜44cm)がいましたが、それよりも小さく、目立っていました。

個体A                     ズグロカモメ
 左の二枚の写真は、個体Aとズグロカモメ成鳥冬羽の初列風切羽を比較したものです。ズグロカモメには、黒い羽に白斑が確認でき、白と黒の縞々のように見えますが、個体Aは、ごく薄い白灰色の羽に白斑が確認できますが、全体的には白色に見えます。これはヒメカモメの特徴です。また、奥に風切羽の裏側が見えますが、ズグロカモメが白色なのに対して、個体Aは暗色をしています。このことは、ヒメカモメの翼下面が暗色であるという特徴に合致しています。
 また、ヒメカモメの類似種として挙げられるヒメクビワカモメは、初列風切羽が長く尖っているのが特徴とされていますが、右上の全体写真を見ると初列風切羽はそれほど長くないことが分かります。また、ヒメクビワカモメ成鳥冬羽には、頭頂の黒灰色部は見られません。これらのことからヒメクビワカモメではないことが分かります。

個体A                     ズグロカモメ
 次に嘴に注目してください。ズグロカモメは嘴が短くて太く、がっしりとした感じがありますが、個体Aの嘴は細く、尖った感じがあります。これはヒメカモメの特徴の一つとして挙げられます。また、個体Aは、頭頂から後頭、首もとのあたりまで黒灰色です。これもヒメカモメの特徴の一つとされています。



 これらの特徴を総合的に判断すると、個体Aはヒメカモメ成鳥冬羽として良いのではないかという結論になりました。だたカモメ類の識別には、あまり自信がありませんので、何かご意見がありましたらメールをくださると嬉しいです。