鳥見旅行記 [2007年 三宅島]

旅行期間:2007年6月1日〜6月3日 (中学2年)

大路池大路池三宅島に父と鳥見旅行に行きました。三宅島に行くことはもちろん、伊豆諸島へは初めてです。今回の旅行の目的は三宅島固有の鳥たちを見てくることでしたが、三宅〜東京航路での海鳥ウォッチングも、もう一つの楽しみでした。クロアシアホウドリが見られたのはとても感激しました。火山ガスも今のところ落ち着いているようでした。噴火により鳥の数が減ってしまったということを聞いていて、実際、ガスにより枯れてしまった木々がいくつもあったのですが、思っていたより、たくさんの鳥が見られました。二日間という短い時間でしたが、初見の鳥6種を含め40種類の野鳥が見られることができて、とても満足することができました。

6月1日(金)

■出発〜三宅島へ
竹芝桟橋父が会社から帰って来るのを待って家を19時前に出発しました。小田急線、JR山手線を乗り継いで浜松町駅まで向かいました。途中、事故で山手線が全線停止となり、僕たちは途中の駅でしばらく待たされました。動き始める気配がなかったので、地下鉄に乗り換えてなんとか21時前に竹島桟橋へ到着しました。受付ロビーでは、三宅島で行われる自転車レースの選手たちや、鳥くんと行くワイバードツアーの人々でにぎわっていました。近くのコンビニで買った弁当を食べながら乗船時間まで待ちました。乗船が開始されるとロビー前の広場に大きな列が出来ましたが、慌てて並ぶ必要はないと思い列が動き出してから乗船しました。船は、22時35分に出航しました。椅子席でしたので、寝れるのかという不安はありましたが、リクライニングや足置き台もあったので寝ることができました。

6月2日(土) 

大路池■大路池(5:30〜12:30)
フェリーは4時50分に三宅島の錆ヶ浜港に到着しました。下船すると、港にはバスやタクシーが並んでいました。すぐに大路池方面行きのバスに乗車しました。バスはそれほど混んでいませんでした。15分ほどで大路池バス停に到着し、バスを降りるとホトトギスやカラスバト、タネコマドリの声が聞こえてきました。すぐにアカコッコの姿も確認できました。大路池に向う林道を歩き始めると、鳥より先に目に付くのが木からぶら下がるイモムシ(シャクトリムシ)です。よけて歩くのが大変でした。しばらくすると「チュリチュリチュリ」という聞き慣れない声がしました。これがおそらくイイジマムシクイの声だと思い、茶緑色の小鳥を探しました。しかし、声がする方を探してもなかなか見つからず、そうしているうちに今度はミヤケコゲラのドラミングが聞こえてきました。普段見慣れているコゲラですが、ここのは亜種が違って名前に「ミヤケ」がつくので、これは見ておくべきだと思い、2種の鳥探しを平行して行いました。先に見つかったのはコゲラで、木の先端近くでエサをとっていました。本州のコゲラより多少色が濃い感じがしました。頭には赤斑があったので雄の固体でした。今度はイイジマを探すと、林の中を動き回る小さな鳥を発見しました。しばらくすると真上の枝にとまり、数秒間その姿を見せてくれたので、イイジマムシクイだと分かりました。センダイムシクイに類似していますが、眉斑が細かったり、頭側線がないなどの違いがあります。その後、林道から大路池を眺められるようになったところで脇道を入り、まだ時間が早くて開いていないアカコッコ館の方へ行きました。イイジマムシクイは開けた所の方が観察しやすいと思ったので駐車場へ向いました。そこからはオーストンヤマガラ、アカコッコ、シチトウメジロなど、この島ならではの鳥が見られました。その後、もと来た道を引き返そうとすると、タネコマドリの声が聞こえ、探してみると木の上の方にとまっていました。この島のコマドリはタネコマドリといって本州のコマドリとは胸の黒帯がないなどの違いが見られますが、本州のように美しい囀り声でした。普通コマドリは夏鳥ですが、この島では留鳥として生息しています。
次に大路池の対岸まで行くことにしました。対岸へ向う林道ではイイジマムシクイ、アカコッコ、カラ類などでにぎわっていました。カラスバトの「ウーッ」というウシのような声も聞こえてきました。大路池の木製デッキに着き、水辺を探していくと、ゴイサギ、チュウサギなどのサギ類がとまっていました。森からはホトトギス、ツツドリの声が聞こえ、ツツドリは姿も見かけました。トケン類の識別は鳴いてくれるのが一番ですが、鳴いてくれない時は胸の黒帯などで識別します。ホトトギスは胸の黒帯が一番まばらで細いのに対して、ツツドリは一番太く密にあります。池の上空にはアマツバメが飛び、カラスバトも確認しました。ここから先は道が途中で封鎖されているそうなので、林道を引き返してアカコッコ館へ向いました。
アカコッコ館の奥には水場が見られるところがあり、鳥が来るのを待っていました。常連はオーストンヤマガラとシチトウメジロで、エサ台や水場に良くやってきました。時々アカコッコやイイジマムシクイがやって来て水浴びをしました。普段は動きが素早かったり、警戒心が強かったりしてなかなか見られないこれらの鳥たちも水浴び中ならじっくり観察することができました。しばらくの間館内で撮影しました。その後、駐車場まで迎えに来てくれたコスモレンタカーさんのハイエースに乗って、レンタカー屋さんまで行きました。
観察した鳥:
アカコッコイイジマムシクイ、アオサギ、チュウサギ、ダイサギ、ゴイサギ、トビ、コジュケイ、カラスバト、キジバト、ホトトギス、ツツドリ、アマツバメ、ミヤケコゲラ、タネコマドリ、ウグイス、ホオジロ、アオジ、シジュウカラ、オーストンヤマガラ、シチトウメジロ、モスケミソサザイ、ヒヨドリ、スズメ、ハシブトガラス

ミヤケコゲラ(デジスコ)

オーストンヤマガラ(デジスコ)

イイジマムシクイ(デジスコ)

タネコマドリ(デジスコ)

シチトウメジロ(デジスコ)

モスケミソサザイ(デジスコ)

オーストンヤマガラの雛(デジスコ)

アカコッコ(デジスコ)

伊豆岬< ■伊豆岬(13:15〜14:30)
コスモレンタカーで三菱ミニカを借りました。伊豆岬でのウチヤマセンニュウの観察は明日を予定していましたが、時間が空いたので伊豆岬に行くことにしました。ウチヤマセンニュウの観察には、囀りが盛んな午前中が適していますが、午後も鳥がいなくなるわけではないと思ったので、見つけられると思ったからです。到着した時にはウグイスやホオジロの声が主でしたが、時々「チュピチュピ」という聞き慣れない声がしたので、これがウチヤマの声だと思い、捜索を開始しました。灯台近くに展望台があり、最初は展望台とは逆側を観察しました。ヨシの先端付近にとまっている可能性が高いと思ったので、先端を丹念に探しましたが、とまっているのはホオジロばかりで、なかなか発見できませんでした。やはり午後は無理なのかと思いましたが、まだ展望台に上っていなかったので、そこから観察することにしました。すると藪の中に一羽の茶色っぽい鳥が入りました。双眼鏡で確認すると、ウグイスより茶色味が強い鳥で多分ウチヤマセンニュウだと思い待つことにしました。しばらくすると藪から出てきてヨシにとまって囀ったので、ウチヤマセンニュウだと確信しました。展望台から海上を観察すると、オオミズギドリの群れが飛び交っていました。
観察した鳥:
ウチヤマセンニュウ、オオミズナギドリ、ウグイス、ヒヨドリ、ホオジロ、イソヒヨドリ

ウチヤマセンニュウ(デジスコ)

■富賀浜(16:30:〜17:00)
宿にチェックインした後、夕飯の時間まで夕方の鳥見をしようと、伊豆岬と並んでもう一つのウチヤマセンニュウポイントである富賀浜へ行きました。富賀神社の脇から入っていくと、伊豆岬と同じように草原が広がっていて、海岸は崖になっていました。ここからはカンムリウミスズメの繁殖地である三本岳が見えたので、ここからカンムリを探しましたがやはり遠かったので、見つけられませんでした。そのかわり、岩場にイソヒヨドリの雄を見つけました。
観察した鳥:
イソヒヨドリ、セグロカモメ、ウミネコ

6月3日(日)

伊豆岬 ■伊豆岬(5:00:〜6:30)
伊豆岬に到着すると、すぐに「チュピーチュピー」というウチヤマセンニュウの囀りが数箇所から聞こえてきました。展望台脇の駐車場からも数羽が見られましたが、展望台から観察することにしました。しかし、正面は逆光になってしまっていたので、横側から観察しました。しかし、とまるのは逆光になる位置がほとんどで、時々順光の場所にとまってもすぐに飛び立ってしまいました。途中から鳥見のグループが来ました。ウチヤマセンニュウの観察が目的のようでしたが、海上を観察している方もいました。しばらくウチヤマセンニュウを観察していると、そのグループの方がカツオドリがいるというので海上を見ると、右へ飛んでいく黒い大きな鳥が目に入りました。すぐに飛び去りましたが、陸から海鳥が見られてとても嬉しかったです。しばらくすると今度は左へ飛んでいく姿が見られました。今度はカメラにも収められたので良かったです。展望台の回りでは、灯台の天辺にとまるイソヒヨドリの雄や、岩場を飛んでいくハヤブサなどが見られました。
観察した鳥:
カツオドリ、ウチヤマセンニュウ、ウグイス、ホトトギス、オオミズナギドリ、ハシボソミズナギドリ、イソヒヨドリ、ハヤブサ

ウチヤマセンニュウ(デジスコ)

カツオドリ(デジスコ)

大路池 ■大路池(9:00:〜10:45)
昨日は徒歩で大路池の木製デッキまで行きましたが、今回はレンタカーがあったので、楽に行くことができました。昨日と同じようにデッキから観察しました。ホトトギス、ツツドリ、イイジマムシクイの声が主でしたが、今日は今回の旅行でしっかり見ていないカラスバトが目的だったのでカラスバトのウシのような声が聞こえるまで待つことにしました。声はしばらくしてから聞こえてきましたが、姿はなかなか見つけられませんでした。池には昨日同様ゴイサギ、チュウサギなどのサギ類が、上空にはアマツバメがいました。デッキに椅子を出して休んでいると森からカラスバトが飛び出して、対岸の大木にとまりました。しかし2羽で縄張り争いをしているようですぐにけんかを始めてしまい、森の奥へ飛び去りました。また出てこないかと期待して待っていましたが、その後は出てきませんでした。そこで今度は、水辺に何かいないか丹念に探しました。するととても小さいゴイザギ類が目に入りました。よく見ると、赤茶色の頭に灰色の背、白い翼、なんとアカガシラサギでした。慌ててデジスコをセットして撮影すると今朝伊豆岬で会った鳥見グループが来て「アカガシラサギはいますか」と聞かれたので場所を教えました。その方によると、昨日ワイバードの人たちが見つけていたそうです。しばらくすると明るい場所に出てきましたが、遠いことには変わりなく証拠写真程度になりました。アカガシラサギが奥へ行ってしまったところで引き上げました。アカガシラサギは去年の8月に石垣島で冬羽を見て以来1年ぶりで、夏羽を見るのは初めてだったのでとても嬉しかったです。
観察した鳥:
アカガシラサギ、ゴイサギ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、カラスバト、イイジマムシクイ、ホトトギス、ツツドリ、アカコッコ、シジュウカラ、シチトウメジロ、コゲラ、ハシブトガラス

アカガシラサギ(デジスコ)

イイジマムシクイ(EOS)

坪田地区 ■坪田地区(11:15:〜12:30)
カラスバトが良く見られるというところに着くとすぐに遠くの木にとまるカラスバトを発見しました。しかし、陽炎の影響もあり、良い条件ではありませんでした。もう少し近くに来るのを待ちました。しばらくすると上空を飛ぶカラスバトを発見しましたが、森の奥へ入り込んでしまいました。山々からは「ウーッ ウーッ」という声が聞こえてきましたがその声のする辺りを探しても見つかりませんでした。その後も何度も頭上すぐ近くを飛んでいく姿は見られました。昼食もこの場所で食べました。食べている途中にも頭上を飛び、ゆっくり食べていられませんでした。しかし、レンタカーの返却時間がせまってきたので、諦めて帰ろうということになりました。するとアカコッコの番が木にとまっているところを発見しましたが、すぐに飛ばれてしまいました。すると横の木にバサバサと動く物を見つけ、双眼鏡で確認するとカラスバトでした。今度はわりと近くで木の実を食べていたため、じっくり見られました。途中から2羽になり、飛び去るまでの数分間、見ることが出来ました。レンタカーの返却時間がせまっていたので切り上げました。
観察した鳥:
カラスバト、アカコッコ、シジュウカラ、タネコマドリ、キジ

カラスバト(デジスコ))

航路 ■航路(三宅島→東京)(14:30:〜17:00)
レンタカー屋さんのハイエースで錆ヶ浜港まで送ってもらいました。乗船までのあいだ海を観察しましたが、オオミズナギドリしか見られませんでした。乗船したらそのままデッキに行き、出航と同時に観察を始めました。最初はデジスコでの撮影を試みましたが、船がゆれるので観察中心にすることにしました。最初の頃は左側が逆行になるため、船の進行方向に対して右側で観察をしました。三宅島がまだ近い間はオオミズナギドリだけしか飛んでいませんでしたが、島からだんだん離れてくるにしたがい、オオナギに混じってハシボソミズナギドリも現れるようになりました。ハシボソは、はばたき方や羽色がオオナギとは違うのが識別ポイントになります。しばらくはこの2種だけでした。観察しているとハシボソミズナギドリのような全身黒い鳥が船のすぐ脇を飛びました。確認すると飛び方がミズナギドリ類と少し異なっていました。ミズナギドリ類ではないとするとウミツバメ類だと思い、よく見ると翼にはっきりとした白い翼帯があります。それを見た時に頭にオーストンウミツバメの名前が浮かびました。すぐ遠くへ行ってしまいましたが、父が撮影した写真と図鑑とを比較、確認するとオーストンウミツバメの特徴に一致していました。初見の海鳥が見られて一安心しました。その後は船の左側に移動して観察をしました。またしばらくオオナギだけになりましたが、大島を通り過ぎるあたりで海を見ていると、今朝の伊豆岬から各所で会っていた鳥見のグループの人が「クロアシだ。タンカーの右!」というので、急いでスコープを覗くとタンカーの横を優雅に飛ぶクロアシアホウドリの姿がありました。遠くでしたが、ずっと見たかった鳥に会えて満足でした。後から父に聞くと、クロアシは船の直ぐ脇を飛んでいたらしく、しっかり写真を撮っていたことが分かりました。その後は珍しい海鳥が出ませんでした。三浦半島が見えてくる頃まで観察し、その後は椅子席で休みました。20時に着岸し、22時前に帰宅しました。
観察した鳥:
クロアシアホウドリオーストンウミツバメ、オオミズナギドリ、ハシボソミズナギドリ

クロアシアホウドリ(EOS)

オーストンウミツバメ(EOS)

オオミズナギドリ(EOS)


今回観察できた野鳥

分類順/計35種類(亜種含む)・うち初観察6種類(太字

1 クロアシアホウドリ 11 コサギ 21 ホトトギス 31 ウチヤマセンニュウ
2 オオミズナギドリ 12 トビ 22 アマツバメ 32 イイジマムシクイ
3 ハシボソミズナギドリ 13 ハヤブサ 23 ツバメ 33 オーストンヤマガラ
4 オーストンウミツバメ 14 コジュケイ 24 ミヤケコゲラ 34 シジュウカラ
5 カツオドリ 15 キジ 25 ヒヨドリ 35 シチトウメジロ
6 ゴイサギ 16 ウミネコ 26 モスケミソサザイ 36 ホオジロ
7 アカガシラサギ 17 セグロカモメ 27 タネコマドリ 37 アオジ
8 ダイサギ 18 キジバト 28 イソヒヨドリ 38 カワラヒワ
9 チュウサギ 19 カラスバト 29 アカコッコ 39 スズメ
10 アオサギ 20 ツツドリ 30 ウグイス 40 ハシブトガラス